ISBN:4087748839 単行本 角田 光代 集英社 2007/11 ¥1,470
作品中描かれている「お母さん」が、自分の母親と重なるところが多く、結構身につまされました。自分の現在は、自分で責任を持って生きていかなければならないですね。誰かのせいにしてはいけない。因果関係を突き詰める必要はない。そんな風に思いました。
作品中描かれている「お母さん」が、自分の母親と重なるところが多く、結構身につまされました。自分の現在は、自分で責任を持って生きていかなければならないですね。誰かのせいにしてはいけない。因果関係を突き詰める必要はない。そんな風に思いました。
ISBN:4048738178 単行本 島本 理生 角川書店 2007/11 ¥1,365
これは面白いです!ありそうな話なのに、なぜか新鮮。人を好きになることも、人から好かれることも、重たくて、大変。そんな感想を持ちつつ、なぜかすごく愛したくなりました。すごく好きな作品です。
これは面白いです!ありそうな話なのに、なぜか新鮮。人を好きになることも、人から好かれることも、重たくて、大変。そんな感想を持ちつつ、なぜかすごく愛したくなりました。すごく好きな作品です。
ゲームの名は誘拐 (光文社文庫)
2008年3月14日 読書
ISBN:4334738850 文庫 東野 圭吾 光文社 2005/06/14 ¥620
面白かったです〜さすが東野圭吾ですね。私はミステリーファンではないので、推理しながら読むのではなく、純粋に驚きながら読みました。何段階にも驚かされるから、読んでいて得した気分になります。
面白かったです〜さすが東野圭吾ですね。私はミステリーファンではないので、推理しながら読むのではなく、純粋に驚きながら読みました。何段階にも驚かされるから、読んでいて得した気分になります。
私が彼を殺した (講談社文庫)
2008年3月9日 読書
ISBN:4062733854 文庫 東野 圭吾 講談社 2002/03 ¥730
本格的な推理小説でした。何も知らずに、普通の小説の感覚で読んでいたので、最後まで読了して、犯人がわからなくて、あれ?という事態に。再読するしかない・・と思って読んでいたのですが、たまらず、今日袋とじを開いてしまいました・・袋とじを読んだら、何となくそういうことかと思ったものの、いまいちすっきりしないので、誰かに懇切丁寧に説明してほしい気分です。ミステリー好きにはたまらない作品だと思いますね。私のように簡単に袋とじを開かずに、何度も挑戦してほしいものです。
本格的な推理小説でした。何も知らずに、普通の小説の感覚で読んでいたので、最後まで読了して、犯人がわからなくて、あれ?という事態に。再読するしかない・・と思って読んでいたのですが、たまらず、今日袋とじを開いてしまいました・・袋とじを読んだら、何となくそういうことかと思ったものの、いまいちすっきりしないので、誰かに懇切丁寧に説明してほしい気分です。ミステリー好きにはたまらない作品だと思いますね。私のように簡単に袋とじを開かずに、何度も挑戦してほしいものです。
空中ブランコ (文春文庫 お 38-2)
2008年2月29日 読書
ISBN:4167711028 文庫 奥田 英朗 文藝春秋 2008/01/10 ¥500
ドラマ化された時も、まったく興味がなかったのですが、今回文庫化されたこともあって読んでみました。読んで伊良部が登場した瞬間、「またコイツか!」と笑いがこぼれました。イン・ザ・プールでお馴染みの人物が登場するのですね。確かに面白いんですが、直木賞と言われると、うーん・・色んな直木賞があるのですね。
ドラマ化された時も、まったく興味がなかったのですが、今回文庫化されたこともあって読んでみました。読んで伊良部が登場した瞬間、「またコイツか!」と笑いがこぼれました。イン・ザ・プールでお馴染みの人物が登場するのですね。確かに面白いんですが、直木賞と言われると、うーん・・色んな直木賞があるのですね。
不自由な心 (角川文庫)
2008年2月23日 読書
ISBN:4043720025 文庫 白石 一文 角川書店 2004/04 ¥660
久しぶりに白石さんの作品を読みました。やっぱり面白いです。このところ仕事が忙しくて、物事を考える時間がほとんどなかったのですが、そんな中でも独特の世界観に引き込まれます。特に表題作は、読み進めるうちに、「え?そうなの??」と思うことがぽろりと書いてあるので、うますぎて少々あっけにとられました。それこそが正に主人公の本質を巧みに描いているのではないでしょうか。あまり期待していなかったので、読んで得をした気分です。考えさせられるいい作品でした。
久しぶりに白石さんの作品を読みました。やっぱり面白いです。このところ仕事が忙しくて、物事を考える時間がほとんどなかったのですが、そんな中でも独特の世界観に引き込まれます。特に表題作は、読み進めるうちに、「え?そうなの??」と思うことがぽろりと書いてあるので、うますぎて少々あっけにとられました。それこそが正に主人公の本質を巧みに描いているのではないでしょうか。あまり期待していなかったので、読んで得をした気分です。考えさせられるいい作品でした。
邂逅の森 (文春文庫)
2008年2月13日 読書
ISBN:4167724014 文庫 熊谷 達也 文藝春秋 2006/12 ¥690
相互リンクのひつじさんが大絶賛していたので、とても気になっていた作品です。すごく面白かったです◎はじめは時代背景が結構古いし、山の言葉が多くて、入っていけるか心配だったのですが、あっという間に引き込まれました。第17回山本周五郎賞、第131回直木賞をダブル受賞と聞いただけで、それはスゴイ・・と思いましたが、納得です。素敵な本を教えてくださってありがとうございました。
相互リンクのひつじさんが大絶賛していたので、とても気になっていた作品です。すごく面白かったです◎はじめは時代背景が結構古いし、山の言葉が多くて、入っていけるか心配だったのですが、あっという間に引き込まれました。第17回山本周五郎賞、第131回直木賞をダブル受賞と聞いただけで、それはスゴイ・・と思いましたが、納得です。素敵な本を教えてくださってありがとうございました。
日傘のお兄さん (新潮文庫 と 17-2)
2008年2月2日 読書
ISBN:4101199426 文庫 豊島 ミホ 新潮社 2007/10 ¥460
日傘をさしている男の人って確かに見ませんよね。でも、今は男の人でも日焼けを気にする時代になってきているので、近い将来「メンズの日傘」なりしアイテムが出てくるのかもしれないなあ。個人的にはあまり歓迎したくないですが。男の人が日傘をさすということ自体に違和感があるので、途中、お兄さんのロリコン疑惑が浮上したときに、もともとあった違和感に拍車をかけて薄気味悪い感じがしました。著者の狙いだとすると当たりだったのではないでしょうか。ただロマンチックなハッピーエンドの作品ではないのですが、このきわどい恐怖感も、思春期の女子があこがれるものかもしれません。
日傘をさしている男の人って確かに見ませんよね。でも、今は男の人でも日焼けを気にする時代になってきているので、近い将来「メンズの日傘」なりしアイテムが出てくるのかもしれないなあ。個人的にはあまり歓迎したくないですが。男の人が日傘をさすということ自体に違和感があるので、途中、お兄さんのロリコン疑惑が浮上したときに、もともとあった違和感に拍車をかけて薄気味悪い感じがしました。著者の狙いだとすると当たりだったのではないでしょうか。ただロマンチックなハッピーエンドの作品ではないのですが、このきわどい恐怖感も、思春期の女子があこがれるものかもしれません。
ISBN:4575234990 単行本 雫井 脩介 双葉社 2004/07 ¥1,680
ようやく読み終わりました。今まで読んだことのないタイプのストーリーで、ワクワクさせられました。展開も満足でしたが、何よりも心情をあらわす言葉の選び方が絶妙で、登場人物の心情がリアルに読めました。作品としてはちょっと長いかなぁという感がありましたが、面白かったです。
ようやく読み終わりました。今まで読んだことのないタイプのストーリーで、ワクワクさせられました。展開も満足でしたが、何よりも心情をあらわす言葉の選び方が絶妙で、登場人物の心情がリアルに読めました。作品としてはちょっと長いかなぁという感がありましたが、面白かったです。
ISBN:4048738046 単行本 盛田 隆二 角川書店 2007/11 ¥1,890
面白かったです。読みごたえのあるしっかりした作品だったと思います。不倫はまだ考えたことはありませんが、そういう幸福のかたちもあるのではないかと思いました。主人公もその相手も不倫なのに恋愛慣れしていない感じがリアルでした。真面目で常識もあるのにどうにもならない。その気持ちがうまく描けています。
不倫はよくないことだという認識は多くの人が持っていると思いますが、そんな単純なこたえで解決できないことは多いですよね。男と女は、時にはすごく単純に思えますが、複雑ですね。
面白かったです。読みごたえのあるしっかりした作品だったと思います。不倫はまだ考えたことはありませんが、そういう幸福のかたちもあるのではないかと思いました。主人公もその相手も不倫なのに恋愛慣れしていない感じがリアルでした。真面目で常識もあるのにどうにもならない。その気持ちがうまく描けています。
不倫はよくないことだという認識は多くの人が持っていると思いますが、そんな単純なこたえで解決できないことは多いですよね。男と女は、時にはすごく単純に思えますが、複雑ですね。
カラフル (文春文庫 も 20-1)
2008年1月7日 読書
ISBN:4167741016 文庫 森 絵都 文藝春秋 2007/09/04 ¥530
前向きになれる、素敵な本です。面白くて、読みやすくて、夢中で読んでいたら、あっという間に読了しました。
私も見えていないことがたくさんあるような気がして、そういう新しい気持ちでいると、明日を迎えられることが何だかわくわくしてきます。落ち込んだときには、また元気をくれるような本です。
前向きになれる、素敵な本です。面白くて、読みやすくて、夢中で読んでいたら、あっという間に読了しました。
私も見えていないことがたくさんあるような気がして、そういう新しい気持ちでいると、明日を迎えられることが何だかわくわくしてきます。落ち込んだときには、また元気をくれるような本です。
いとしい (幻冬舎文庫)
2008年1月4日 読書
ISBN:4344400062 文庫 川上 弘美 幻冬舎 2000/08 ¥560
3年くらい前に購入した本が、実家の本棚の中でたたずんでいるのを見つけて、何となく読んでみました。購入したばかりの時は、全然入り込めなくて、途中で別の作品をよんでしまっていたのですが、全然面白かったです。そう考えると、この3年間で少なくとも自分が成長しているという証拠なのでしょうか。そう思いたい。学生の頃よりも社会人になってから本をよく読むようになりました。社会人になってはや4年弱。私が多少読書家になって4年。私の中の目に見えない変化を、一冊の本が教えてくれたような気がして、嬉しくなった瞬間でした。
以下引用
「君が好きになってくれるに従って僕も好きになったのだった。すると君はますます好きになり僕もますます好きになったのだった。いちばん好きになったのは、しかしその前に君のことを一番好きになる以前にいちばん好きだったもののことを思わねばならぬ。むろん自分のことがいちばん好きということは基調であるにしろ、たとえばはでやかなよく笑うしなしなとした何人かの女の子だの長い間かかって集めた珍重されるべき切手の数々だの味わうために日の上っている間ほとんど何も口にせずに日が落ちてしばらくするとゆっくり口にふくむ酒だの。しかし何がいちばん好きかと問われると僕は口ごもる。君のことだとていちばん好きなのかそうでないのか。一番などと順位づけするのもおかなしな話であるが君が言ってもらいたいのはそんな理路整然のことではないこともわかるので僕は君が一番好きです。いつから一番好きになったかというと、大昔から一番好きだったのです。いつまでというなら永遠にであり永遠にいちばん君のことが好きなのです。」
そうなのです。多くの女の子が一番大切な人に言ってもらいたい言葉、少なくとも私が言ってもらいたい言葉はそこなのです。
3年くらい前に購入した本が、実家の本棚の中でたたずんでいるのを見つけて、何となく読んでみました。購入したばかりの時は、全然入り込めなくて、途中で別の作品をよんでしまっていたのですが、全然面白かったです。そう考えると、この3年間で少なくとも自分が成長しているという証拠なのでしょうか。そう思いたい。学生の頃よりも社会人になってから本をよく読むようになりました。社会人になってはや4年弱。私が多少読書家になって4年。私の中の目に見えない変化を、一冊の本が教えてくれたような気がして、嬉しくなった瞬間でした。
以下引用
「君が好きになってくれるに従って僕も好きになったのだった。すると君はますます好きになり僕もますます好きになったのだった。いちばん好きになったのは、しかしその前に君のことを一番好きになる以前にいちばん好きだったもののことを思わねばならぬ。むろん自分のことがいちばん好きということは基調であるにしろ、たとえばはでやかなよく笑うしなしなとした何人かの女の子だの長い間かかって集めた珍重されるべき切手の数々だの味わうために日の上っている間ほとんど何も口にせずに日が落ちてしばらくするとゆっくり口にふくむ酒だの。しかし何がいちばん好きかと問われると僕は口ごもる。君のことだとていちばん好きなのかそうでないのか。一番などと順位づけするのもおかなしな話であるが君が言ってもらいたいのはそんな理路整然のことではないこともわかるので僕は君が一番好きです。いつから一番好きになったかというと、大昔から一番好きだったのです。いつまでというなら永遠にであり永遠にいちばん君のことが好きなのです。」
そうなのです。多くの女の子が一番大切な人に言ってもらいたい言葉、少なくとも私が言ってもらいたい言葉はそこなのです。
上と外 上 (1) (幻冬舎文庫 お 7-9)
2008年1月4日 読書
ISBN:434441019X 文庫 恩田 陸 幻冬舎 2007/10 ¥680
ホームドラマかと思っていたら、その場面展開に驚きました。恩田陸さんの想像力に感嘆です。教訓も多くて、ためになりました。いい本です。もう一度読み返したいです。
「一流のひとは、道具やモノに向かった時に適度な距離感がある」
「人間は何にでも慣れるのだ。どんなひどいことにも。その時は最悪だと思っても、見方さえ変えれば最悪に底はない。」
ホームドラマかと思っていたら、その場面展開に驚きました。恩田陸さんの想像力に感嘆です。教訓も多くて、ためになりました。いい本です。もう一度読み返したいです。
「一流のひとは、道具やモノに向かった時に適度な距離感がある」
「人間は何にでも慣れるのだ。どんなひどいことにも。その時は最悪だと思っても、見方さえ変えれば最悪に底はない。」
ISBN:4061317776 文庫 村上 春樹 講談社 1982/07 ¥370
村上春樹のデビュー作を今ごろ読みました。この小説を書き始めたきっかけは、突然何かが書いてみたくなった、と著者は言っているようですが、すごい人がいるんですね。
「強い人間なんてどこにも居やしない。強い振りのできる人間が居るだけさ」という台詞が印象的でした。この言葉に励まされてひと月は頑張れる気がします。ちゃんとインプットしておこう。
村上春樹のデビュー作を今ごろ読みました。この小説を書き始めたきっかけは、突然何かが書いてみたくなった、と著者は言っているようですが、すごい人がいるんですね。
「強い人間なんてどこにも居やしない。強い振りのできる人間が居るだけさ」という台詞が印象的でした。この言葉に励まされてひと月は頑張れる気がします。ちゃんとインプットしておこう。
ISBN:4396631588 単行本 恩田 陸 祥伝社 1999/10 ¥1,785
友人の愛読書なので、好奇心を少し掻き立てられながら読みました。頭がよくなったような気がするって言っていたけど、わかる気がします。登場人物が頭がいいのと、読者にも考えさせるような描き方をしているので、考えながら読んでいきました。なかなかいい作品ですね。中でも「机上の論理」がお気に入りです。
友人の愛読書なので、好奇心を少し掻き立てられながら読みました。頭がよくなったような気がするって言っていたけど、わかる気がします。登場人物が頭がいいのと、読者にも考えさせるような描き方をしているので、考えながら読んでいきました。なかなかいい作品ですね。中でも「机上の論理」がお気に入りです。
カシオペアの丘で(上)
2007年11月11日 読書
ISBN:4062140020 単行本 重松 清 講談社 2007/05/31 ¥1,575
これはいい作品です。私の中では今年一番になりそうですね。まだ下巻を読んでいないのですが、すごく楽しみです。「流星ワゴン」、「その日のまえに」に続く作品というだけあって、期待も結構高かったのですが、それ以上でした。今更気づいたのですが、私は重松さんの作品がかなり好きみたいです。
これはいい作品です。私の中では今年一番になりそうですね。まだ下巻を読んでいないのですが、すごく楽しみです。「流星ワゴン」、「その日のまえに」に続く作品というだけあって、期待も結構高かったのですが、それ以上でした。今更気づいたのですが、私は重松さんの作品がかなり好きみたいです。
ISBN:4163238603 単行本 東野 圭吾 文藝春秋 2005/08/25 ¥1,680
一日で読了しました。面白いし、美しかったです。人を想う気持ちってどうしてこんなにも美しく見えるんでしょうか。人から後ろ指を指されるようなことでも、信念をもってそれをやり遂げる気持ちは、性悪説に立っただけでは語り尽くせないことがたくさんありますね。このストーリーに重要な役割を果たしている湯川という教授はかなり興味深いですね。他の作品にもちらりといろんな場面で出せそうな人物ですね。ちなみに、月9とリンクしていたっていうのは初めて知りました。
一日で読了しました。面白いし、美しかったです。人を想う気持ちってどうしてこんなにも美しく見えるんでしょうか。人から後ろ指を指されるようなことでも、信念をもってそれをやり遂げる気持ちは、性悪説に立っただけでは語り尽くせないことがたくさんありますね。このストーリーに重要な役割を果たしている湯川という教授はかなり興味深いですね。他の作品にもちらりといろんな場面で出せそうな人物ですね。ちなみに、月9とリンクしていたっていうのは初めて知りました。
ISBN:4163257705 単行本 重松 清 文藝春秋 2007/03 ¥1,470
幼い頃の記憶がほとんどないという人が多いらしく、私は人から「よくそんな細かい事まで覚えているね」と言われることが多いです。もちろん、記憶がないと言い切る人だって、断片的には覚えていたり、何かの拍子に思い出したりすることはあるのだと思うけれど、そうしたことを踏まえても、周りの人間と比較すると、かなり多くのことを覚えているらしいです。そうは言っても、小学五年生―大体10歳頃からの記憶はわりと鮮明になっている人が多いのではないでしょうか。「最低限の常識」を身につけ、心も体も自己の変化に気づき、戸惑う成長期まっさかり。大人にはまだまだ遠いけれど、子供だと言われると、ちょっと反抗したくなるような時期です。この小説の中では何作か転校がテーマにとりあげられていました。以前のような関係を期待して、転校してしまった友人に会いに行った主人公が、予想に反して友人が構ってくれなかったという作品は胸が苦しくなりました。「去っていくものはあっさりしたものだ。残された方が悲しい」というようなことをよく聞きますが、それは一概には言えないということがわかってきました。それは相手への思いの強さだ、ということも言い切れないのではないかとも。過去を大切にする気持ち、現在を大切にする気持ち。そのバランスが個人差があるのだということが大きいのではないでしょうか。どれがいいとは言えないけれど、過去に関わりを持った人を大切に思い続けつつ、現在関係の深い人たちを大事にしていきたいです。
幼い頃の記憶がほとんどないという人が多いらしく、私は人から「よくそんな細かい事まで覚えているね」と言われることが多いです。もちろん、記憶がないと言い切る人だって、断片的には覚えていたり、何かの拍子に思い出したりすることはあるのだと思うけれど、そうしたことを踏まえても、周りの人間と比較すると、かなり多くのことを覚えているらしいです。そうは言っても、小学五年生―大体10歳頃からの記憶はわりと鮮明になっている人が多いのではないでしょうか。「最低限の常識」を身につけ、心も体も自己の変化に気づき、戸惑う成長期まっさかり。大人にはまだまだ遠いけれど、子供だと言われると、ちょっと反抗したくなるような時期です。この小説の中では何作か転校がテーマにとりあげられていました。以前のような関係を期待して、転校してしまった友人に会いに行った主人公が、予想に反して友人が構ってくれなかったという作品は胸が苦しくなりました。「去っていくものはあっさりしたものだ。残された方が悲しい」というようなことをよく聞きますが、それは一概には言えないということがわかってきました。それは相手への思いの強さだ、ということも言い切れないのではないかとも。過去を大切にする気持ち、現在を大切にする気持ち。そのバランスが個人差があるのだということが大きいのではないでしょうか。どれがいいとは言えないけれど、過去に関わりを持った人を大切に思い続けつつ、現在関係の深い人たちを大事にしていきたいです。
ISBN:402250272X 単行本 吉田 修一 朝日新聞社出版局 2007/04 ¥1,890
ある人から見たイメージと別の人から見たイメージが異なるということは当然よくあることなのですが、その滑稽さがとても見事に描き出されていました。世の中に本当の悪人なんていない、という言葉をどこかで聞いたことがあります。人が罪をおかすのは、ちゃんと理由があって、その理由を知ってしまえば責められないことは多いのでしょう。確かに、この作品を読んでいると、世間からみた悪人が、必ずしも悪人とは言い切れず、むしろ被害者を悪人とも見れるような、何だか考えさせられました。こんなによみやすいミステリーもなかなかないです。読書の秋、ということもあって最近本を読みあさっていますが、これはおススメの一冊です。
ある人から見たイメージと別の人から見たイメージが異なるということは当然よくあることなのですが、その滑稽さがとても見事に描き出されていました。世の中に本当の悪人なんていない、という言葉をどこかで聞いたことがあります。人が罪をおかすのは、ちゃんと理由があって、その理由を知ってしまえば責められないことは多いのでしょう。確かに、この作品を読んでいると、世間からみた悪人が、必ずしも悪人とは言い切れず、むしろ被害者を悪人とも見れるような、何だか考えさせられました。こんなによみやすいミステリーもなかなかないです。読書の秋、ということもあって最近本を読みあさっていますが、これはおススメの一冊です。
ISBN:4048737899 単行本 大崎 善生 角川書店 2007/09 ¥1,575
退屈でした。終始恋愛の悩みに支配されているし、この作品の登場人物も、どうしたのかと思うほどに少なく、作品の範囲が狭い。
でも、時折せつなくて、胸が苦しくて、気がつくと目頭が熱くなってしまうのが不思議でなりませんでした。
この作品に登場する由布子、由香はあまりに恋愛に深刻で、その2人の深刻さに主人公も引き連られて行く様子がよく伝わってきます。私は恋愛に限らず、結構ものごとを深刻にとらえてしまう方だったので、客観的にみると、それがどれだけ滑稽かということが身につまされました。
大崎さんは文章が美しいので、とても好きだったのですが、ちょっとワンパターンなところが否めないので、新たな境地が見たいです。
退屈でした。終始恋愛の悩みに支配されているし、この作品の登場人物も、どうしたのかと思うほどに少なく、作品の範囲が狭い。
でも、時折せつなくて、胸が苦しくて、気がつくと目頭が熱くなってしまうのが不思議でなりませんでした。
この作品に登場する由布子、由香はあまりに恋愛に深刻で、その2人の深刻さに主人公も引き連られて行く様子がよく伝わってきます。私は恋愛に限らず、結構ものごとを深刻にとらえてしまう方だったので、客観的にみると、それがどれだけ滑稽かということが身につまされました。
大崎さんは文章が美しいので、とても好きだったのですが、ちょっとワンパターンなところが否めないので、新たな境地が見たいです。