ミカ!

2006年11月11日 読書
ISBN:4652071795 単行本 伊藤 たかみ 理論社 ¥1,575

夏に「ミカ!ミカ!」を読みましたが、その作品の登場人物がほんの少し幼いときのおはなしです。

読み終えると、とっても素直な気持ちになりました。たくさん思い出した気持ちがあります。先に続編ともいえる「ミカ!ミカ!」を読んでから、「ミカ!」を読んだためか、登場人物にやたら愛着をもってしまいました。

それにしても、「オトトイ」は一体なんの生物だったんだろう・・最後にわかるかな、と思っていたけど、結局不思議なままでした。涙を食べて大きくなるなんて絶対嘘だけど、読んでいて、「絶対ホント」って言いたくなるくらい素直な気持ちになっています。伊藤たかみさんの別の作品も読んでみたいですね。とっても読みやすいので、あっという間に読み終わってしまうのがもったいないほどです。

ストーリー         ★★★☆☆
登場人物の魅力    ★★★★☆
文章(共感度、美しさ)★★★☆☆ 
総合           ★★★☆☆

砂の器

2006年11月9日 読書
ISBN:4101109249 文庫 松本 清張 新潮社 ¥660

なるほど、こういう結果になりましたか。一体どうオチをつけるのかと思ってハラハラしていましたが。

経過が長く、また真犯人になかなかいきつかないので、ちょっとぎりぎりしました。これこそがミステリーの良さなのかもしれませんが、ちょっとしばらくミステリーはいいってくらいおなかいっぱいです。

ミステリーは、何だか最後にいきつくと少しがっかりしてしまうので疲れてしまうのでしょうか。ストーリーは楽しくて、上巻を読み終えたときは一息もつかずに下巻を手に取ったんですけどね。

(この作品への評価)
ストーリー        ★★★☆☆
登場人物の魅力    ★★☆☆☆
文章(共感度、美しさ)★★★☆☆ 
総合           ★★★☆☆

最後の言葉

2006年11月4日 読書
ISBN:4777103684 文庫 川嶋 あい ダブルウィング ¥630

川島あいって本当に苦労人だったのですね・・あの澄んだ声からは想像もできないほどたくさんのことを背負って生きてきたんだなぁって思いました。よくぞ素直に育ったなぁ。

I Wishと川島あいの違いなんてわからなかったけれど、なるほど、こんな秘話が隠されていたのか。でも、あえてこういう本を出さずに神秘的なままっていうのも良かったんじゃないかな。これはこれでいいと思いますけどね。

優しい子よ

2006年11月3日 読書
ISBN:4062134926 単行本 大崎 善生 講談社 ¥1,365

大崎善生さんの作品はかなりひさしぶりです。相変わらず美しい文章で、しみじみと感じ入ってしまいました。今回の作品には美しさだけではなく、優しさが加わって全体的にあたたかい印象です。生きていることに付随する様々な出来事に意味をつけるとしたら、大崎さんのような人の言葉に共感しながら自分なりの意見をもっていきたいです。

あとがきに、文体のことは難しいと大崎さんは記述していました。ノンフィクションのような4篇からなる作品でしたが、私は、真ん中の2篇よりも最初と最後の2篇が特に小説に近い感じを受けました。というのも、筆者の主観的な感情、言いかえるなら、優しさをより多く感じられたからだと思います。大崎さんの言葉を借りるなら、より「自由」な感じがしました。

いずれにしても、流れるような、いかにも何気ない文に、これだけ美しさと感動をこめられる人はそういないと思います。想像力に長けた小説にも素晴らしいものがたくさんありますが、大崎さんには、これからも大崎さんらしい作品を期待していきたいです。

(この作品への評価)
ストーリー        ★★★☆☆
登場人物の魅力    ★★★☆☆
文章(共感度、美しさ)★★★★☆ 
総合           ★★★☆☆

片想い

2006年11月2日 読書
ISBN:4163198806 単行本 東野 圭吾 文藝春秋 ¥1,800 大学時代のアメフト部のメンバーとの定例の飲み会の後、哲郎は10年ぶりに会った元マネージャーの美月にある秘密を告白される。そして、その秘密は思いもかけない形でメンバーに影響を与えていく…。導入部分から読み手をぐいぐい引っ張り込み、途中で急に視点が変わるストーリー展開は、日常的な場面から少し現実離れした設定へと読者を取…

性同一性障害が一つのテーマになっているのですが、このタイトルだけ見て、そんなこと想像もしてなかったので、しょっぱなから度肝を抜かれました。それにしても面白かったです。著者によると、「秘密」を引きずっているとか。つまり、「娘と妻」の間で揺れる心を、今回は「男と女」に置き換えた・・というようなことが文庫の方のあとがきで記述されていました。なるほど。

男と女は「コインの裏と表」ではなくて、「メビウスの帯」のようなもの。もしくは、南極と北極のようなもの。性別は簡単に分けられるものではなく、自分でも気づかないうちに、揺れ動いて行ったり来たりしているもの。

そういう考えがあってもいいなと思います。これという真実なんてないのだとしたら、納得がいくようにそれぞれが考えればいいと思います。

確かに私だって、男っぽいところもあるし、それは時と場合によって見え隠れする。

その微妙な変化が大きく生じる特性を持つ人に魅力を感じるという人がいるというのも何だか妙に納得できます。

東野圭吾、まだ3冊目ですが、次は何を読もうか楽しみです。

(この作品への評価)
ストーリー        ★★★★☆
登場人物の魅力    ★★★☆☆
文章(共感度、美しさ)★★★☆☆ 
総合           ★★★★☆

夜をゆく飛行機

2006年10月29日 読書
ISBN:4120037525 単行本 角田 光代 中央公論新社 ¥1,575

空中庭園とはまた違ったタッチで描かれた家族の話。空中庭園の展開が、登場人物の心理の奥へ奥へと誘うのに対して、この作品は、もっと淡々と、まるでそこにあるかのように綴られているストーリーでした。

たくさん登場人物がでてくると、自分に近いのは誰だろうって、無意識のうちに考えてしまうのですが、こういうとき、たいていの人は主人公(語り手)に感情移入してしまって、自分と主人公を重ねてしまうものだと思います・・というのは私がそうだからです。やっぱり、主人公の気持ちが一番わかりやすく描写されてるしね。人間、ふかーいふかーい部分では、そう変わらないと思うんですよ。

(この作品への評価)
ストーリー        ★★★☆☆
登場人物の魅力    ★★☆☆☆
文章(共感度、美しさ)★★★☆☆ 
総合           ★★☆☆☆

DIVE!!

2006年10月27日 読書
ISBN:4043791038 文庫 森 絵都 角川書店 ¥580

面白いという評判は聞いていたけれど、これほどまでとは・・
はまりました。毎日読むのが楽しみで、一週間があっという間だっとほど。これまでこんなにも面白い本を放っておいたのが悔しいとさえ思いました。

実は、飛び込みという競技をほとんど見たことさえないので、入り込めないだろうと予想していたのですが、期待を裏切られ、あっという間に引き込まれていました。

登場人物の個性が、それぞれ魅力的に描かれていること、ストーリーがよく練られていること、何気ない一節に、たくさんの思いを想像できることなど、色々な要素が結集して、この作品に仕上がっているのですね。素晴らしい!!絶対また読み返します。

ストーリー        ★★★★★
登場人物の魅力    ★★★★★
文章(共感度、美しさ)★★★★☆ 
総合           ★★★★★

エバーグリーン

2006年10月22日 読書
ISBN:4575235555 単行本 豊島 ミホ 双葉社 ¥1,470

これまで何冊か豊島ミホさんの小説を読んできましたが、これは今のところ一番です。

10年後の約束がキーになっているんですが、すごくピュアでロマンチックだと思います。自分には10年後の約束なんて、一度もなかったから、ついうらやましくなってしまいますね。

それにしても、この人の小説はまだはずれたことがない。。この人、1982年生まれってことは私より多分1歳年下ってことになるけど、すごいなぁ。これからも応援していきたいです。

ストーリー        ★★★★☆
登場人物の魅力    ★★☆☆☆
文章(共感度、美しさ)★★★☆☆ 
総合           ★★★☆☆

愛がなんだ

2006年10月19日 読書
ISBN:404372604X 文庫 角田 光代 角川書店 ¥500

あっという間に読み終わりました。完全な「片思い小説」というのもあまり読んだことがないので、新鮮でした。それにしても、小説の中の主人公が思いを寄せている相手には魅力が感じられません。いらいらするほど・・だけど、そんなもんなのかもしれない。好きあって付き合っている恋人同士だって、その断片をとりだしたら、第三者には何で?って思うようなことばかりでも、色んなものがつながって、理由なんてわからないけれど、その人じゃないとだめだっていう気持ちは、よくわかる。それが愛なのか、執着なのかはわからないけど、自分が支配されてしまうくらい思えるのはある意味で幸せで、ある意味不幸だ。

ストーリー        ★★★☆☆
登場人物の魅力    ★☆☆☆☆
文章(共感度、美しさ)★★★☆☆ 
総合           ★★★☆☆

小さき者へ

2006年10月19日 読書
ISBN:4101349185 文庫 重松 清 新潮社 ¥660

全6篇の短篇。どれも良かったです。一話目の、「海まで」は、内気な息子と年老いた母親との間で思いをめぐらせる主人公のもどかしいかんじがよく描かれています。息子のしたことが、大変な事態を招くのか思うと、その予想は裏切られて、ちょっとしたいたずら、ということで終わらせているのがよかったです。四話目の「団旗はためくもとに」が個人的には好きです。今まで考えたこともなかったけど、「押忍」の心ってかっこいいなあって思いました。

ストーリー         ★★★☆☆
登場人物の魅力    ★★★☆☆
文章(共感度、美しさ)★★☆☆☆ 
総合           ★★★★☆
ISBN:410125141X 文庫 蓮見 圭一 新潮社 ¥500

病を患った女性が、愛娘にあてて自分の半生を吹き込んだテープを起こした物語。

それだけに、普通の小説とは違った感覚で読めます。その語り口調は夏目漱石の「こころ」を思い出しました。

奥の深いストーリーでしたが、特に記憶に残ったのは、この場面です。

「彼は母親が行商をしていることを恥じている自分を恥じていたんです。彼はそういう人なんです。一筋縄じゃいかない、とても複雑な人なんですよ」

この部分を読んで、妙に納得すると同時に、自分は複雑な人間だと気づきました。このような感情は私にもとても覚えがある、というよりは、常日頃感じていることでした。自分では、自分と言う人間はとても単純だと思っていたけれど、その逆を人から言われることが多くて、内心不満に思っていましたが、納得です。

ストーリー         ★★★★☆
登場人物の魅力    ★★★☆☆
文章(共感度、美しさ)★★★☆☆ 
総合           ★★★★☆
ISBN:4309407609 文庫 角田 光代 河出書房新社 2005/10/05 ¥473

アジア放浪から半年ぶりに帰ってみると、恋人は別の男と暮らしていた。帰るところを失った主人公は、旅先で知り合った女性の一軒家へ転がり込む。

素朴なストーリーでしたが、素朴な中にもたくさん共感ができるところがありました。私も、旅先から帰った主人公のように、東京で一人暮らしをはじめてからは、職場でもそれ以外でも、興味のない相手に対して終始にこやかに知りたくもない質問をするようになっています。

「自分のまえにもう一人よく似たやつがひっついている。そいつはいつも中途半端な笑みを浮かべて、僕自身が何か考えたり疑ったりするより先に、あてがわれた場所にいち早くなじんで見せ、条件反射的に言葉をつなぎ、面白くもないのに馬鹿笑いをし、それでうまくやっていると信じている。実際そいつに立ち回らせておけば日々は滞りなく過ぎていくのだ」

とても理解できる表現です。そんな自分に違和感を感じずにはいられないんですよね。これまでの自分と違うと、本当の自分ではないと思えて仕方がない。私がまさに最近感じていることです。

ストーリー         ★★☆☆☆
登場人物の魅力    ★★☆☆☆
文章(共感度、美しさ)★★★☆☆ 
総合           ★★☆☆☆

娼年

2006年9月23日 読書
ISBN:4087476944 文庫 石田 衣良 集英社 2004/05 ¥420

若い男の子を買う女性って、自分の周りでは考えられないくらい別の世界のことですが、こういうテーマを扱った題材は多いから、実在するんでしょうね。女性の立場からも男性の立場からも共感が得られないのでわかり辛いところが多かったです。この本は読み返さないなぁ。

ストーリー         ★☆☆☆☆
登場人物の魅力    ★☆☆☆☆
文章(共感度、美しさ)★☆☆☆☆ 
総合           ★☆☆☆☆
ISBN:4062133687 単行本 豊島 ミホ 講談社 2006/03/28 ¥1,470

豊島ミホさん、いいですね。今回もとても清清しい印象でした。ストーリーがすごく面白いとかじゃないんですが、この人の書く文章が好きです。むずがゆいかんじとか、初々しいかんじ、意外と大人だったり、背伸びしてみたり、そんな中学生頃の微妙な気持ちを見事に表現していて、読んでいると夢中になります。

また、今回の作品は、詩がひとつのポイントになっていましたが、昔国語で習った詩を、大人になって、今回の小説を通して読んだことによって、何だかすごく心に残りました。

りんご

両手をどんなに大きく 大きくひろげても
かかえきれないこの気持ち

りんごが一つ
日あたりに転がっている

この山村暮鳥の有名な作品は、たくさんの解釈があるそうです。
大きく分けて2つ。
「かかえきれないこの気持ち」の解釈がポイントになります。幸福の気持ち、不幸の気持ち、どちらを意味しているのかは、読み手の気分で変わるはずです。だからこそ、私はこの詩が素晴らしいと思います。「りんご」だってそうです。りんごは単純な、どこにでもある果物。そのりんごが日あたりに転がっている、ただそれだけの情景は、見る人によって悲しくも幸せにも思えるでしょう。

詩は大人の読み物かもしれないですね。


ストーリー         ★★★★☆
登場人物の魅力    ★★★☆☆
文章(共感度、美しさ)★★★☆☆ 
総合           ★★★☆☆

星々の舟

2006年9月14日 読書
ISBN:4163216502 単行本 村山 由佳 文藝春秋 2003/03 ¥1,680

禁断の恋に苦しむ兄弟というのは、また古い設定だと思ったのですが、とても新鮮な衝撃を受けました。当の本人たち以外の第三者の目からも描かれているせいでしょうか。みんなたくさん抱えているんですよね。自分だけがしんどいってつい思ってしまうけど、なぜかちょっと元気になりました。結構重たいストーリーだったのに。落ち込んでいる時は、楽しい内容よりは重たい内容の方がカラダにいいのかも。

ストーリー         ★★★★☆
登場人物の魅力    ★★★★☆
文章(共感度、美しさ)★★★☆☆ 
総合           ★★★★☆

空中庭園

2006年9月8日 読書
ISBN:4167672030 文庫 角田 光代 文藝春秋 2005/07/08 ¥500

登場人物が短編ごとにいれかわる。角田光代さんのお得意な展開です。どうして、こんなにもいろんな立場の人の気持ちがわかるんだろう。私なんて、いつも自分の尺度でしか考えられなくって、最近になってようやく人の痛みがわかるようになってきたのに。

この本の中では、人の隠しておきたいような内面がむき出しになっていて、読んでいて気持ちのいいものではなかったけれど、なるほどな、と納得するところが多かったです。

それぞれの立場の人間が、それぞれの立場や役割を演じているけれど、本当に考えていることって自分にしかわからないことだから、そんな当たり前のことが、この本を読んでいるとすごく伝わってきて、少し背筋が寒くなりました。

ストーリー        ★★★☆☆
登場人物の魅力    ★★☆☆☆
文章(共感度、美しさ)★★★☆☆ 
総合           ★★★☆☆

4TEEN

2006年9月5日 読書
ISBN:4101250510 文庫 石田 衣良 新潮社 2005/11/26 ¥500

さすが直木賞受賞作ですね。これまで読んだ石田衣良の中ではダントツ良かったです。泣けるところがたくさんありました。特に、ダイのお父さんが自転車をプレゼントしていて、自転車なのにまだローンが残ったまま亡くなってしまったというところは耐えられませんでした。こんなできすぎた話、ひどすぎる。14歳の頃の気持ちって、私もよく覚えています。どんなことでも感じやすくて、真面目すぎるのが恥ずかしくって、毎日がみずみずしかった。今思い返すと・・ですが。何もわかっていなかったけれど、妙に悟った気にもなったし。それでも、大切なものはわかる年齢だったのかもしれないな。

ストーリー         ★★★★☆
登場人物の魅力    ★★★★☆
文章(共感度、美しさ)★★★☆☆ 
総合           ★★★★☆

眠れぬ真珠

2006年8月29日 読書
ISBN:4104595020 単行本 石田 衣良 新潮社 2006/04/27 ¥1,680

版画の専門用語とか、よくわからないところも多しでしたが、まずまずです。中年女と好青年の17歳差の恋愛が描かれています。設定が何だか想像できないというか、ぴんときません。というか、集中できません・・彼のことが頭から離れない。どうしてこんなにも恋愛を扱った本が多いのか、曲が多いのか、と毎日うつうつ考えてしまうから、今は仕方ないですね。もう失恋を題材にした曲の意味がすごくよくわかってしまって、切ない気分を超満喫です・・この本でよくわかったところは、年齢とかじゃないんだなぁってこと。年をとってもいつまでも子供じみている人はいるし、若くても落ち着いていて、相手の気持ちを汲み取れる人がいるってこと。別れた彼は後者だったなぁと思うとますます辛さがこみあげてきます。私もそろそろ変わろう。人間そう簡単に変われないとしても、大切な人をもう二度と傷つけない人間になるために、努力しよう。この辛さをたえぬこう。

ストーリー         ★★☆☆☆
登場人物の魅力    ★★☆☆☆
文章(共感度、美しさ)★★☆☆☆ 
総合           ★★☆☆☆

時生

2006年8月26日 読書
ISBN:4062751666 文庫 東野 圭吾 講談社 2005/08/12 ¥790

泣きました。病に臥した息子が、時を越えて父親の若い頃に会いに行き、未来を切り開く手助けをする。これだけ聞くとバック・トゥ・ザ・ヒューチャーのようですが、全然違います。
東野圭吾はミステリーだから何となく読む気にならなかったのですが、「秘密」があまりによかったので、2冊目を手にしました。東野圭吾はアリです。しばらくはまりそうです。

ストーリー         ★★★★☆
登場人物の魅力    ★★★☆☆
文章(共感度、美しさ)★★★☆☆ 
総合           ★★★★☆
ISBN:4334738125 文庫 盛田 隆二 光文社 2005/01/12 ¥720

集合住宅に住む普通の主婦が、仕事・男からの誘い・主人の浮気によってたくましく変わっていくストーリー。とても興味深かったです。結婚もしていないのに、主婦が主人公のお話って何だかくいついて読んでしまいます。自分もいつかは・・と思っているからなんでしょうか。実際集合住宅に住んでいても、今の世の中じゃこんなにしょっちゅう近所づきあいに頭を悩ませることはないんだろうなぁ。近所で浮気なんて、絶対冗談じゃないって思ったけど、そういうのにあこがれたりする既婚者も少なくないんだろうなぁ。それにしても、主人公、変わりすぎです。身持ちの堅い主婦じゃなかったの?とつっこみたくなります。カラダの浮気なんかよりも、完全に心を奪われてしまった罪の方が重いような気もします・・が、どちらがどうってことはないんだ。カラダによる浮気も、本気の心変わりも、どう受け止めるのかはそれぞれなんだから。

ストーリー         ★★★☆☆
登場人物の魅力    ★★☆☆☆
文章(共感度、美しさ)★★★★☆ 
総合           ★★★☆☆

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