スローグッドバイ

2005年12月10日 読書
ISBN:4087478165 文庫 石田 衣良 集英社 2005/05/20 ¥480

石田衣良さんの短編恋愛小説。感想は・・微妙。不自然な比喩が多すぎるからいちいち気になるんだな。スローグッドバイもかなり売れているみたいだけど、断然「池袋・・」のタッチの方が面白い。もう石田さんの恋愛小説はおなかいっぱいだ。
ISBN:4167174030 文庫 石田 衣良 文芸春秋 2001/07 ¥570

一話目はかなり面白かった。ただ、二話目、三話目・・・となるにつれて段々だれてきたけれど。ある場所を舞台に自分のまわりで事件がおきて解決に導いていく普通の男。自己投影しやすいヒーロー。なるほど、この作品がうれているわけがわかりました。

99%の誘拐

2005年12月10日 読書
ISBN:4062747871 文庫 岡嶋 二人 講談社 2004/06 ¥730

徳山諄一と井上泉の共作。二人の作家がどんな風に協力して小説を書くんだろう。不思議。内容は最高だった。犯人がわかっても最後までどきどきさせてくれるまさかの面白さ。何度か読み返したい作品。

コールドゲーム

2005年11月30日 読書
ISBN:4101230315 文庫 荻原 浩 新潮社 2005/10 ¥700

面白かった。神様からの一言とはまた違った面白さがあった。いじめがテーマということで、暗い話かと思っていたけれど、それだけじゃなかった。世間の常識が絶対じゃないということは社会人2年目の私にもじわじわわかってきたけれど、この作品を読んでもう一度そのことを考えさせられた。それにしても主人公は「できるのになにもしなかった罪」だったけれど、それはさかうらみもいいとこだと思う。誰だっていじめはこわい。いじめること自体、いじめられたくないという気持ちがそうさせる人がほとんどだろう。私も小学生の頃を思い出すと、主人公と同罪になるのだろうか。見ているのに見ていなかった。いじめは社会にでてますますエスカレートするようにも思う。

神様からひと言

2005年11月11日 読書
ISBN:4334738427 文庫 荻原 浩 光文社 2005/03/10 ¥720
主人公(涼平)は一流広告代理店につとめていたが、短気な性格ゆえ、上司といざこざがあり退職する。しばらくは生活費を折半して同棲しているリン子とのんびり退職金で過ごすつもりだったがリン子はひょんなことがきっかけで出て行ってしまう。仕方なく再就職した珠川食品の上層部は頭がかたく、会議中に涼平はまたもや乱闘。そしてリストラ職員養成部と化しているお客様相談室へ配置換えされてしまうが・・・

随分分厚い本だったけど、一気に読んでしまった。面白かった。食品業界の裏社会をのぞけた気がする(これをうのみにするとクレームがきそうだけど)。
ISBN:4104767018 単行本 市川 拓司 新潮社 2005/06/29 ¥1,365
一貫してくらーい内容だった。こういう作品も書くんだな。死のにおいがぷんぷんしていた。随分細部までリアルに描かれていたけれど、どうして死体の保存法とか知ってるんだろう。こわい。最近母親に毒薬を飲ませ続けていた娘についてのニュースが話題になったけど、あの女の子が読んでいた本もおかしい。そして私が「おかしい」と思うこの気持ちも、いつか「おかしい」と思うような時代がくるのかもしれない。本の内容としてはまずまずだったけど、あんまり暗い世界に興味がないからいまひとつ楽しめなかった。
仕事で宇治へ行ったついでに平等院まで足をのばしてみました。平等院は最近修築したようで、お手洗いもきれいでした。敷地内にミュージアムもあって、たくさん像やら壁画やらを見ました。(正直あんまり興味ない。)私の隣で背の高い外人がなにやらしきりにうなずいていて、そっちに関心が動いてしまいました。平等院のまわりに橋やらベンチやら、居心地のよさそうな公園みたいなのがあったことが印象に残っています。

それにしても宇治は何にもないです。宇治といえばお茶だけど、本当にお茶しかないって言っても過言でないくらい宇治茶の店ばかりでした。そしてたいがい店の片隅で抹茶ソフトクリームが売られています。何軒も物色した後、抹茶の粉がソフトクリームにコーティングされている特製ソフトクリームとやらを購入。一口目はおいしかったけど、お店のおじさんのサービスでコーンの奥までしっかりクリームが入っていたからちょっともてあましました。

せっかく宇治へ行ったけど、あんまりイメージが変わらなかったのが残念。
ISBN:4101036160 文庫 山田 詠美 新潮社 1996/02 ¥420

今まで読んだ山田詠美の作品の中ではダントツ面白かった。正直に言うと「こんな小難しいことばっか考えてて勉強ができない高校生いるのか?」といったところだけれど。おそらく「勉強ができない」と言っても進学校の中で下の方、とかそういうイメージなんだろうな。高校生の頃の私が読んでも意味がわかんなかったと思う。だから今この本を手にすることができたことに感謝。大人になってみて初めて主人公の気持ちがわかる。あれこれ考えすぎているところが若さを感じさせて、考えていることが大人な分笑える。また読み返したくなる一冊だ。

ボッコちゃん

2005年10月25日 読書
ISBN:4101098018 文庫 星 新一 新潮社 1971/05 ¥500

今さら星新一に初めて手をだしてはまってしまいました。
村上春樹でさんざん読んだショートショートというジャンルはとても読みやすくて、通勤時間に最適。星さんはこのジャンルの先駆者だったのね。しらなかった(恥)。村上春樹とは似ているようで全然違う小説家だ。SFでもどこかリアル。本好きの友人いわく「星新一は起承転結があるからね」と。なるほど。あの短いストーリーの中にこれだけたくさんもりこむんだからすごいな。頭いいなぁって思い、ため息がでてしまう。今はようこそ地球さんを読んでいます。これだけたくさんの作品を書いているのに、どれを読んでもはずれがないって思う。
ISBN:4794966687 単行本 角田 光代 晶文社 2005/05 ¥1,470

角田さんのエッセイを読むのは初。身近なテーマからお金にまつわるいろいろな気持ちを正直に書き連ねている。エッセイではあるけれど、今まであんまり考えなかったことをあらためて気づかされることが多かった。
「昼めし977円」を読んで、私も一日中とはいわないまでも一日のうちの多くの時間、次に食べる物について考えている。平日でもそんな調子だし、誰かとご飯を食べる休日には、次何たべる?という質問が幾度もくりかえされる。生き物は生きるために食べるのか、食べるために生きるのか、時々わからなくなる。そのくらい食べるということは生きるエネルギーなのだと感じさせられる。
「コーヒー2.80NZドル、ヤムヌアごはんつき8NZドル」と「一日」を読んで、お金をつかうということは大事だなぁと思った。確かに、お金をつかってはじめて記憶に残ることが多い。お金を費やしたら費やした分だけ、もしくは費やした以上に何かは残る(あるいは時間もそうなのかもしれない)。貯金をしても数字にしか残らない。なるほどなるほど。私が24年間の中で、最も費やしてきたものって何だろう。はじめて考えてみるけれど、これだけはゆずれない、というものはなく、あえて言えばチョコレートだけだったことに気づく。うむ。確かにチョコレートには詳しく、自信があるけど・・・もっといろいろお金をつかおう・・・
DVD 監督ティム・バートン、主演ジョニー・デップの4度目の顔合わせは、ロアルド・ダール原作の人気ファンタジーの映画化。ウォンカ氏が経営する巨大なチョコレート工場に、5人の子どもたちが招待され、驚くべき体験をする。5人のなかで、唯一、貧しい一家の少年チャーリーで、天才子役のフレディー・ハイモアが名演技を披露している。

初めから終わりまでわくわくさせられっぱなしでした。子供の夢がつまったストーリー。挿入歌も愉しくてサントラがほしくなりました。チャーリーが金のチケットをみつけた瞬間、すごくどきどきしちゃいました。閉じているものを開く時って、おとなになっても子供の頃とかわらず興奮します。チャーリーが、誕生日に一枚目のチョコレートを家族みんなにわけてやろうとしたときに、「それはチャーリーのチョコレートだからひとりで食べなさい」といわれて、「ぼくのものだからぼくの好きなようにする」といいながらチョコレートを配るシーンはぐっときました。うわ〜こんな気持ち忘れてたなぁって思ってホロリ。この映画を見終わったら、チョコレートがむしょうに食べたくなってしまって、ハーシーの板チョコを1枚買って半分個しました。ほんとはウォンカのチョコレートが食べたかったんだけど(そんなのない)、買える中ではハーシーが一番近いかな。日本のチョコレートじゃ間に合わない欲し方だったので。濃厚ドロドロのやつが食べたかったのです。とりあえず満足満足。

土の中の子供

2005年9月30日 読書
ISBN:4104588040 単行本 中村 文則 新潮社 2005/07/26 ¥1,260

〜主人公は27歳の青年。タクシーの運転手をして生計を立てている。親から捨てられた子供たちのいる施設で育ち、養子として引き取った遠い親戚は殴る、蹴るの暴力を彼に与えた。彼は「恐怖に感情が乱され続けたことで、恐怖が癖のように、血肉のようになって、彼の身体に染みついている」。彼の周囲には、いっそう暴力が横溢していく。自ら恐怖を求めてしまうかのような彼は、恐怖を克服して生きてゆけるのか。主人公の恐怖、渇望、逼迫感が今まで以上に丹念に描写された、力作。表題作に、短編「蜘蛛の声」を幣録〜

はじめから終わりまでまったく救いがないストーリー展開。幼いころ虐げられて育つと本当にこんな具合に歪みが生じてしまうものなのだろうか。想像こそするけれどあまりにリアルに描写されているので考えさせられる作品だった。恐怖を与えられ続けたために恐怖を体が欲している状態。それは自己破滅だ。驚くほど描写が的確で、入り込みすぎて読み終わるとふらふらになった。
「蜘蛛の声」〜主人公は入社してすぐに仕事で大きな成功を収めるも、それをきっかけに自分の殻に閉じこもるようになった。そんな精神状態の中、彼は通勤途中に見ていた橋の下へ自然と足が向かい、そこで生活をはじめる。しばらくそこで生活していた彼は、ある日付近から通報を受けた警官に起こされる。最近頻発している通り魔の容疑がかけられ、警察へ連れて行かれそうになった主人公は勢いあまって警官を川へ突き落とす。警官に侘びをいれ、自分が通り魔ではないことを懸命に説明し、しぶしぶ帰っていく警官を見送った後、蜘蛛が現れる。その蜘蛛が言うには、これまでの彼の記憶は自分が作り上げたものであり、本当はずいぶん前からその場所に彼がいたのだという。彼は会社に勤めたことはなく、通り魔事件を起こしたのも彼なのだと。彼は信じられない気持ちだったが次第にどちらが真実なのかわかならくなってくる。もし自分が犯人なのなら…その気持ちが新たな事件の引き金になる予感を読者に与えてこの作品は終わっている〜
「土の中の子供」とはまったく違うストーリーではあるが、この二つの作品には通ずるものがあると思う。ここまで暗いと逆に元気が出る気もする。

ポテトアップルパイ

2005年9月27日
今日のお昼ご飯はコンビニで買ったきのこ弁当とポテトアップルパイ。まさに秋の味覚。急に冷え込んできたこの数日。秋が寝坊してて慌てて起きてきたようだ。きのこ弁当美味しかった。サツマイモも栗もうずらたまごも入ってるのに350円☆素敵です。ポテトアップルパイも予想外に美味しかった。サツマイモとアップルがこんなにも似合いだったなんて。ちょっとカロリーがね・・・カロリーが455kは高い。

さらにこの秋は新商品のチョコレートが私に追い討ちをかけてくる。今年のポッキーはすごい。もうポッキーの域じゃない。デコレーションの仕方がまずすごい。まるでパーティーへ行く装い。そして昨年度のショパンにキャラメル味が。あれはヤラレタ。ショパンのキャラメルショコラはこの秋の一押しです。

体重を2週間で5キロおとしたのに危険な予感が・・・
以前にも紹介したMP3プレイヤーがなんと2ヶ月あまりでこわれました。早かった。やっぱり走ったら壊れるのか。それともホールドボタンをカチカチしすぎたせい?それともそれとも枕元で聴きながら寝ていて、朝起きたらふんずけていたせい?それとも何度か落っことしたせい?(全部だよ)でも保証期間が余裕だったからよかった◎新品とかえてもらえた♪むしろラッキーでした。保証書探すのに半日かかったけど。保証書があるのとないのとでは電気屋の態度がぜんぜん違うから助かりました。私みたいに使い方があらい客にもいちいち保証してたら大変だよな・・・と思います。

三条あかり

2005年9月25日 趣味
すっかり忘れていたけど、先週の土曜日は三条のあかりをみに京都へぶらりと行ってきました。すっかり忘れていたわけは、残念ながらあまりにも地味だったからです。それ目当てで来ている人、いなかったんじゃないかな…一応天井とか壁にスクリーンらしきものが映されて入るけど、まわりの電飾が明るすぎて誰も気がついていない…私もものすごくキョロキョロして探したけどわかりにくかった…もったいない。せっかくやるならせめて一部だけでもパーっと明るく目立たせればいいのに。博物館前はさすがに人がまばらにいたけど、威力弱いですね。やっぱり神戸のルミナリエとか奈良の燈花会はすごいです。違いを見せつけられた感があります。やっぱりプロが手がけないと。
このチケットをとったのはおそらくまだ春。半年間楽しみに臨んだ全国公演。期待を裏切られた結果。ストーリーが子供向けにつくられていたから仕方がないのかもしれない。私が小学生だったら喜んだのかもしれない。それにしても…
あれだけのダンスと歌が・・(涙)確かに四季劇場に出演してる人たちとは格の違いを見せ付けられたけど。だからこそせめて脚本が面白かったらと思うと・・惜しい。
値段だけはいつもの四季並だったような。それもまた悔しい。ポンピロパ〜ン…
ISBN:4840112592 単行本 角田 光代 メディアファクトリー 2005/05 ¥1,470

一度読んだことのある本をもう一度読み返してみると、初めに読んだときに思い違いをしていたことに気づいたり、新たな発見があったりすることはよくある。記憶に残っているストーリーと実際がかけ離れていたり、感情移入できる登場人物も自分のコンディションによって変わる。本はどことなくミステリアスな存在だ。その本を中心にさまざまなストーリーが展開されていて、この作品自体、ミステリアスでもある。色んなの国の古本屋を移動しながら何度も主人公とめぐりあう本、恋人と共有していた本、大学の古本屋を順繰りに渡り歩く本。本をじっと眺めていると、そんな新しいストーリーが生まれてくるのだろう。最後までわくわくしながらこの短編をよみきりました。
ISBN:4167693011 文庫 長嶋 有 文芸春秋 2005/02 ¥400

「サイドカーに犬」を読んで何だか麦チョコが食べたくなりました。麦チョコって意外においしい。高級なマカダミアナッツのチョコレートもいいけど、その何分の一の値段の麦チョコを食べたい気持ちになる瞬間のほうが、人生には多い気がする。いつも食べていると飽きてしまうのかもしれないけど。
ISBN:4043648022 文庫 川島 誠 角川書店 2003/02 ¥480

川島さんの短編は初めて読んだけど、今まで読んだ長編とはちょっと違っていて楽しめた。ありえない・・・でも。というような設定が多くて、その中でも特に「電話が鳴っている」が面白かった。SFチックな作品も読んでみたいかも。
ISBN:4043648030 文庫 川島 誠 角川書店 2003/06 ¥500

800の方が全然面白かった。でもまぁまぁ・・・
気に入らなかったのは一節終わるたびに何らかの暗示的表現がつかわれていた点だ。はじめはまだよかったけれど、段々くどい!と思ってしまって、せっかくのストーリーが崩れる。「でも・・・」「しかし・・・」もうおなかいっぱい。これがなければなぁ。

この人の作品は陸上が舞台になることが多くて、読んでいるうちに、あの面白くなさそうな、しんどいだけという陸上のイメージが和らいで、走ってみようか、と思ってしまう。

この作品のストーリーは、わりと普段私が考えていることと重なることが多くて、ちょっと人事ではない・・・という気持ちで読んだ。

なるほど、世間は小説を実体験に基づいて書いていると思うのか。そういわれてみれば私もそうだ。小説家って、きっとそういうことを気にしていたらやっていけない。結構リスクの高い職業だったんだなぁ。

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