愛がなんだ

2006年10月19日 読書
ISBN:404372604X 文庫 角田 光代 角川書店 ¥500

あっという間に読み終わりました。完全な「片思い小説」というのもあまり読んだことがないので、新鮮でした。それにしても、小説の中の主人公が思いを寄せている相手には魅力が感じられません。いらいらするほど・・だけど、そんなもんなのかもしれない。好きあって付き合っている恋人同士だって、その断片をとりだしたら、第三者には何で?って思うようなことばかりでも、色んなものがつながって、理由なんてわからないけれど、その人じゃないとだめだっていう気持ちは、よくわかる。それが愛なのか、執着なのかはわからないけど、自分が支配されてしまうくらい思えるのはある意味で幸せで、ある意味不幸だ。

ストーリー        ★★★☆☆
登場人物の魅力    ★☆☆☆☆
文章(共感度、美しさ)★★★☆☆ 
総合           ★★★☆☆

小さき者へ

2006年10月19日 読書
ISBN:4101349185 文庫 重松 清 新潮社 ¥660

全6篇の短篇。どれも良かったです。一話目の、「海まで」は、内気な息子と年老いた母親との間で思いをめぐらせる主人公のもどかしいかんじがよく描かれています。息子のしたことが、大変な事態を招くのか思うと、その予想は裏切られて、ちょっとしたいたずら、ということで終わらせているのがよかったです。四話目の「団旗はためくもとに」が個人的には好きです。今まで考えたこともなかったけど、「押忍」の心ってかっこいいなあって思いました。

ストーリー         ★★★☆☆
登場人物の魅力    ★★★☆☆
文章(共感度、美しさ)★★☆☆☆ 
総合           ★★★★☆
ISBN:410125141X 文庫 蓮見 圭一 新潮社 ¥500

病を患った女性が、愛娘にあてて自分の半生を吹き込んだテープを起こした物語。

それだけに、普通の小説とは違った感覚で読めます。その語り口調は夏目漱石の「こころ」を思い出しました。

奥の深いストーリーでしたが、特に記憶に残ったのは、この場面です。

「彼は母親が行商をしていることを恥じている自分を恥じていたんです。彼はそういう人なんです。一筋縄じゃいかない、とても複雑な人なんですよ」

この部分を読んで、妙に納得すると同時に、自分は複雑な人間だと気づきました。このような感情は私にもとても覚えがある、というよりは、常日頃感じていることでした。自分では、自分と言う人間はとても単純だと思っていたけれど、その逆を人から言われることが多くて、内心不満に思っていましたが、納得です。

ストーリー         ★★★★☆
登場人物の魅力    ★★★☆☆
文章(共感度、美しさ)★★★☆☆ 
総合           ★★★★☆
気になるサイトがあったので、やってみました。
生年月日から、ケーキにたとえるとどんな人間か占うものです。
http://www.betsubara.net/

ショートケーキでした。
あなたのケーキ指数は(4)です。
地味にコツコツと努力するタイプなので、華やかなイメージはありません。だからと言って、そのイメージを払拭しようとしてギャグを飛ばしてもスベるだけでパッとしませんが、実直路線を貫いていけば、誰からも信頼される人物です。金銭感覚においても、その計画性の高さは誰にもヒケを取りません。実用的なもの以外にはお金を使うことがないぐらいシッカリしています。簡単に言うと、ケチで堅実。もし、パーッと使おうなんて発想が起こったら、それはどこかのネジがゆるんでいる時です。たまにあるでしょう。

めちゃめちゃ当たってます。
今はネジがゆるんでいるので、散財していますが。

クッキー占いっていうのもあったので、やってみました。
「和解の機会あり」
だそうです。
ISBN:4309407609 文庫 角田 光代 河出書房新社 2005/10/05 ¥473

アジア放浪から半年ぶりに帰ってみると、恋人は別の男と暮らしていた。帰るところを失った主人公は、旅先で知り合った女性の一軒家へ転がり込む。

素朴なストーリーでしたが、素朴な中にもたくさん共感ができるところがありました。私も、旅先から帰った主人公のように、東京で一人暮らしをはじめてからは、職場でもそれ以外でも、興味のない相手に対して終始にこやかに知りたくもない質問をするようになっています。

「自分のまえにもう一人よく似たやつがひっついている。そいつはいつも中途半端な笑みを浮かべて、僕自身が何か考えたり疑ったりするより先に、あてがわれた場所にいち早くなじんで見せ、条件反射的に言葉をつなぎ、面白くもないのに馬鹿笑いをし、それでうまくやっていると信じている。実際そいつに立ち回らせておけば日々は滞りなく過ぎていくのだ」

とても理解できる表現です。そんな自分に違和感を感じずにはいられないんですよね。これまでの自分と違うと、本当の自分ではないと思えて仕方がない。私がまさに最近感じていることです。

ストーリー         ★★☆☆☆
登場人物の魅力    ★★☆☆☆
文章(共感度、美しさ)★★★☆☆ 
総合           ★★☆☆☆

娼年

2006年9月23日 読書
ISBN:4087476944 文庫 石田 衣良 集英社 2004/05 ¥420

若い男の子を買う女性って、自分の周りでは考えられないくらい別の世界のことですが、こういうテーマを扱った題材は多いから、実在するんでしょうね。女性の立場からも男性の立場からも共感が得られないのでわかり辛いところが多かったです。この本は読み返さないなぁ。

ストーリー         ★☆☆☆☆
登場人物の魅力    ★☆☆☆☆
文章(共感度、美しさ)★☆☆☆☆ 
総合           ★☆☆☆☆
ISBN:4062133687 単行本 豊島 ミホ 講談社 2006/03/28 ¥1,470

豊島ミホさん、いいですね。今回もとても清清しい印象でした。ストーリーがすごく面白いとかじゃないんですが、この人の書く文章が好きです。むずがゆいかんじとか、初々しいかんじ、意外と大人だったり、背伸びしてみたり、そんな中学生頃の微妙な気持ちを見事に表現していて、読んでいると夢中になります。

また、今回の作品は、詩がひとつのポイントになっていましたが、昔国語で習った詩を、大人になって、今回の小説を通して読んだことによって、何だかすごく心に残りました。

りんご

両手をどんなに大きく 大きくひろげても
かかえきれないこの気持ち

りんごが一つ
日あたりに転がっている

この山村暮鳥の有名な作品は、たくさんの解釈があるそうです。
大きく分けて2つ。
「かかえきれないこの気持ち」の解釈がポイントになります。幸福の気持ち、不幸の気持ち、どちらを意味しているのかは、読み手の気分で変わるはずです。だからこそ、私はこの詩が素晴らしいと思います。「りんご」だってそうです。りんごは単純な、どこにでもある果物。そのりんごが日あたりに転がっている、ただそれだけの情景は、見る人によって悲しくも幸せにも思えるでしょう。

詩は大人の読み物かもしれないですね。


ストーリー         ★★★★☆
登場人物の魅力    ★★★☆☆
文章(共感度、美しさ)★★★☆☆ 
総合           ★★★☆☆

9月17日の日記

2006年9月17日
秘密のみです。

星々の舟

2006年9月14日 読書
ISBN:4163216502 単行本 村山 由佳 文藝春秋 2003/03 ¥1,680

禁断の恋に苦しむ兄弟というのは、また古い設定だと思ったのですが、とても新鮮な衝撃を受けました。当の本人たち以外の第三者の目からも描かれているせいでしょうか。みんなたくさん抱えているんですよね。自分だけがしんどいってつい思ってしまうけど、なぜかちょっと元気になりました。結構重たいストーリーだったのに。落ち込んでいる時は、楽しい内容よりは重たい内容の方がカラダにいいのかも。

ストーリー         ★★★★☆
登場人物の魅力    ★★★★☆
文章(共感度、美しさ)★★★☆☆ 
総合           ★★★★☆
なんだかうつうつしている気分を払拭したくて、とりあえずお取り寄せっていうのをやってみました。「禁断のチーズケーキ」っていうのを取り寄せてみましたが、解凍に4〜5時間かかるらしくまだ食していません。百貨店とかでおとなしく買ったほうが良かったかなぁと思ったけれど、「取り寄せ」っていうのがテンションあがります。食べてみてよかったらはまるかもしれません。

上野動物園

2006年9月10日
上野動物園
今日は夏日が戻ってきて、相当辛かったですが、動物園へ行ってきました。暑さに生気を吸い取られながら、たくさんの動物たちに癒されつつ、結果的にはプラスの一日でした。「オカピ」っていうキリン科の動物がいたのですが、足だけしま模様で、おしゃれだなあというのが感想です。動物園、10年以上ぶりに行きましたが、わりとよかったです。上野動物園は広々としていて、動物をみるためじゃなくてもおすすめですね。

新さんま

2006年9月9日
新さんま
秋ですね。新さんまが売られていると、「ほほう・・そんな季節か。」と思います。さっそく1匹買って調理。めちゃめちゃ美味しくて、「うわっ」て声をあげてしまいました。土曜日はゆっくり料理できるからのんびりしますね。

今日は何だか気持ちがくたびれていて、英会話へ行く気になれなかったので、かわりに買い物をしました。週末の新宿は本当に人、人、人・・・

昨年買って、今も毎日通勤用に履いている靴をもう1足買いました。スペアが欲しかったのです。

空中庭園

2006年9月8日 読書
ISBN:4167672030 文庫 角田 光代 文藝春秋 2005/07/08 ¥500

登場人物が短編ごとにいれかわる。角田光代さんのお得意な展開です。どうして、こんなにもいろんな立場の人の気持ちがわかるんだろう。私なんて、いつも自分の尺度でしか考えられなくって、最近になってようやく人の痛みがわかるようになってきたのに。

この本の中では、人の隠しておきたいような内面がむき出しになっていて、読んでいて気持ちのいいものではなかったけれど、なるほどな、と納得するところが多かったです。

それぞれの立場の人間が、それぞれの立場や役割を演じているけれど、本当に考えていることって自分にしかわからないことだから、そんな当たり前のことが、この本を読んでいるとすごく伝わってきて、少し背筋が寒くなりました。

ストーリー        ★★★☆☆
登場人物の魅力    ★★☆☆☆
文章(共感度、美しさ)★★★☆☆ 
総合           ★★★☆☆

4TEEN

2006年9月5日 読書
ISBN:4101250510 文庫 石田 衣良 新潮社 2005/11/26 ¥500

さすが直木賞受賞作ですね。これまで読んだ石田衣良の中ではダントツ良かったです。泣けるところがたくさんありました。特に、ダイのお父さんが自転車をプレゼントしていて、自転車なのにまだローンが残ったまま亡くなってしまったというところは耐えられませんでした。こんなできすぎた話、ひどすぎる。14歳の頃の気持ちって、私もよく覚えています。どんなことでも感じやすくて、真面目すぎるのが恥ずかしくって、毎日がみずみずしかった。今思い返すと・・ですが。何もわかっていなかったけれど、妙に悟った気にもなったし。それでも、大切なものはわかる年齢だったのかもしれないな。

ストーリー         ★★★★☆
登場人物の魅力    ★★★★☆
文章(共感度、美しさ)★★★☆☆ 
総合           ★★★★☆

9月2日の日記

2006年9月2日 趣味
自分がエネルギー切れて落ち込んでいる時に、身近な人のパワフルな活動を目の当たりにすると、何だかショックを受けます。どんどん置いて行かれているような、そんな気分。
だけど、充電するために休んでみることは、必要な時間なんですよね。吸収できる時には、アンテナをめいっぱい張ってかけめぐるのもよし。何をやってもだめな時、何もする気にならない時は、ただぼんやり漂ってみるのも悪いことじゃないんだから。
私の悪い癖は、人と比較して落ち込んでしまうこと。それってすごく無意味だ。わかっていて、どうして落ち込むのでしょうか。自分に自信がないから。今が幸せじゃないから。向上心のかたまりだから。さて、どれでしょう。人が幸せ、私は幸せ。そんな風に切り分けたいのに。

8月29日の日記

2006年8月29日 日常
るなさんのところでみつけたオーラソーマリーディングを私もやってみました。

http://white-love.jp/cgi-local/auraSoma/auraSoma.cgi

一本目 魂のボトル(あなたの本質を示します)

慈愛の精神に満ちた人です。思いやりが深く、柔和な心で周囲に一身に愛情を注いでいくでしょう。内面にたくさんの愛を持ったあなたの優しさはすべての対象に向けられます。とても面倒見がよく、溢れるボランティア精神の持ち主。無垢な心を持つ子供や動物に慕われるでしょう。それは、あなた自身も内面に無垢な心(=天使)を持っているから。周囲に深く共感する慈悲深い心は、まるで花の鎖のように美しい輝きをもたらすのです。

ボトルNo 011
ボトル名 チェイン・オブ・フラワー(花の鎖)/エッセネボトル?
カラー クリアー/ピンク


◆ 二本目 チャレンジ&ギフトのボトル(あなたの過去と乗り越えるべき課題を示します)

たえず自分自身を裁き、非難しているようです。そして、その批判精神は他者にも向けられがちです。過去に達成したことより、やらねばならない問題にばかり目が向いています。いつも「できない」と自分を責め、取り巻く環境や周囲の人たちまで巻き込んでしまうでしょう。人生に歓びを見出すことに困難を感じています。また、スピリチュアルな物事、神秘的な側面に傾倒するあまり、現実から目をそらしていることも考えられます。

ボトルNo 059
ボトル名 レディ・ポルシャ
カラー ペールイエロー/ペールピンク


◆ 三本目 「今ここ」のボトル(現在の状態と気づきを示します)

内なる混乱を手放し、知的な歓びを手にいれるとき。自己満足ではない、真の意味での知性が備わります。自分の内側に潜む苦しみや痛みから目をそらさず、深く見つめましょう。苦しみの理解が、本質に対する洞察につながり、深い叡智をもたらします。自分が本当は何をしたいのか、何に歓びを感じるのかが、理解できるようになるはず。また、自然との触れ合いも多くの気づきをもたらします。明晰性を持って、自分が開かれるでしょう。

ボトルNo 070
ボトル名 ヴィジョン・オブ・スプレンダー(壮麗なるヴィジョン)
カラー イエロー/クリア


◆ 四本目 未来のボトル現在の状態からどう変わっていくか、未来の可能性を示します)

クリエイティブかつ自由な感性で人生を楽しんでいきます。何ものにもとらわれることなく、のびのびと自分を表現していくことができるでしょう。言葉以外のコミュニケーションで人とつながっていきます。アーティスティックな活動や、マッサージ、コンピューター関連などで力を発揮できます。また、外国との関わりも深く、外国語の習得などにも才能を活かせそう。グローバルな感性で、自分の世界を大きく広げた活躍ができるでしょう。

ボトルNo 085
ボトル名 タイタニア
カラー ターコイズ/クリア

書いてあることはあまりにばらばらで、どれが本当なんじゃい。
でも、1〜3本目はわりとあたっている気がする。4本目は未来のことだからわかんないけど。今、乗り越えるべき課題かぁ・・やっぱり彼のことになりますが、浅はかにもこのような結果を招いてしまった自分の優柔不断さを深く見つめてみます。4本目のボトルもちょっと気になったので、とりあえず今かよっている英会話にもう少し力を注いでみようかな。こういう占いって簡単で楽しいですね。

眠れぬ真珠

2006年8月29日 読書
ISBN:4104595020 単行本 石田 衣良 新潮社 2006/04/27 ¥1,680

版画の専門用語とか、よくわからないところも多しでしたが、まずまずです。中年女と好青年の17歳差の恋愛が描かれています。設定が何だか想像できないというか、ぴんときません。というか、集中できません・・彼のことが頭から離れない。どうしてこんなにも恋愛を扱った本が多いのか、曲が多いのか、と毎日うつうつ考えてしまうから、今は仕方ないですね。もう失恋を題材にした曲の意味がすごくよくわかってしまって、切ない気分を超満喫です・・この本でよくわかったところは、年齢とかじゃないんだなぁってこと。年をとってもいつまでも子供じみている人はいるし、若くても落ち着いていて、相手の気持ちを汲み取れる人がいるってこと。別れた彼は後者だったなぁと思うとますます辛さがこみあげてきます。私もそろそろ変わろう。人間そう簡単に変われないとしても、大切な人をもう二度と傷つけない人間になるために、努力しよう。この辛さをたえぬこう。

ストーリー         ★★☆☆☆
登場人物の魅力    ★★☆☆☆
文章(共感度、美しさ)★★☆☆☆ 
総合           ★★☆☆☆

オペラ座の怪人

2006年8月26日 音楽
今日は電通四季劇場へオペラ座の怪人を観に行きました。ストーリー、衣装、ダンス、歌声、どれをとっても本当に素晴らしくて感無量です。それに、演奏がオーケストラだったことに感動しました。初めて一人で観に行きましたが、一人で行くのも悪くないなと思いました。

時生

2006年8月26日 読書
ISBN:4062751666 文庫 東野 圭吾 講談社 2005/08/12 ¥790

泣きました。病に臥した息子が、時を越えて父親の若い頃に会いに行き、未来を切り開く手助けをする。これだけ聞くとバック・トゥ・ザ・ヒューチャーのようですが、全然違います。
東野圭吾はミステリーだから何となく読む気にならなかったのですが、「秘密」があまりによかったので、2冊目を手にしました。東野圭吾はアリです。しばらくはまりそうです。

ストーリー         ★★★★☆
登場人物の魅力    ★★★☆☆
文章(共感度、美しさ)★★★☆☆ 
総合           ★★★★☆
ISBN:4334738125 文庫 盛田 隆二 光文社 2005/01/12 ¥720

集合住宅に住む普通の主婦が、仕事・男からの誘い・主人の浮気によってたくましく変わっていくストーリー。とても興味深かったです。結婚もしていないのに、主婦が主人公のお話って何だかくいついて読んでしまいます。自分もいつかは・・と思っているからなんでしょうか。実際集合住宅に住んでいても、今の世の中じゃこんなにしょっちゅう近所づきあいに頭を悩ませることはないんだろうなぁ。近所で浮気なんて、絶対冗談じゃないって思ったけど、そういうのにあこがれたりする既婚者も少なくないんだろうなぁ。それにしても、主人公、変わりすぎです。身持ちの堅い主婦じゃなかったの?とつっこみたくなります。カラダの浮気なんかよりも、完全に心を奪われてしまった罪の方が重いような気もします・・が、どちらがどうってことはないんだ。カラダによる浮気も、本気の心変わりも、どう受け止めるのかはそれぞれなんだから。

ストーリー         ★★★☆☆
登場人物の魅力    ★★☆☆☆
文章(共感度、美しさ)★★★★☆ 
総合           ★★★☆☆

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