ISBN:4163257705 単行本 重松 清 文藝春秋 2007/03 ¥1,470
幼い頃の記憶がほとんどないという人が多いらしく、私は人から「よくそんな細かい事まで覚えているね」と言われることが多いです。もちろん、記憶がないと言い切る人だって、断片的には覚えていたり、何かの拍子に思い出したりすることはあるのだと思うけれど、そうしたことを踏まえても、周りの人間と比較すると、かなり多くのことを覚えているらしいです。そうは言っても、小学五年生―大体10歳頃からの記憶はわりと鮮明になっている人が多いのではないでしょうか。「最低限の常識」を身につけ、心も体も自己の変化に気づき、戸惑う成長期まっさかり。大人にはまだまだ遠いけれど、子供だと言われると、ちょっと反抗したくなるような時期です。この小説の中では何作か転校がテーマにとりあげられていました。以前のような関係を期待して、転校してしまった友人に会いに行った主人公が、予想に反して友人が構ってくれなかったという作品は胸が苦しくなりました。「去っていくものはあっさりしたものだ。残された方が悲しい」というようなことをよく聞きますが、それは一概には言えないということがわかってきました。それは相手への思いの強さだ、ということも言い切れないのではないかとも。過去を大切にする気持ち、現在を大切にする気持ち。そのバランスが個人差があるのだということが大きいのではないでしょうか。どれがいいとは言えないけれど、過去に関わりを持った人を大切に思い続けつつ、現在関係の深い人たちを大事にしていきたいです。
幼い頃の記憶がほとんどないという人が多いらしく、私は人から「よくそんな細かい事まで覚えているね」と言われることが多いです。もちろん、記憶がないと言い切る人だって、断片的には覚えていたり、何かの拍子に思い出したりすることはあるのだと思うけれど、そうしたことを踏まえても、周りの人間と比較すると、かなり多くのことを覚えているらしいです。そうは言っても、小学五年生―大体10歳頃からの記憶はわりと鮮明になっている人が多いのではないでしょうか。「最低限の常識」を身につけ、心も体も自己の変化に気づき、戸惑う成長期まっさかり。大人にはまだまだ遠いけれど、子供だと言われると、ちょっと反抗したくなるような時期です。この小説の中では何作か転校がテーマにとりあげられていました。以前のような関係を期待して、転校してしまった友人に会いに行った主人公が、予想に反して友人が構ってくれなかったという作品は胸が苦しくなりました。「去っていくものはあっさりしたものだ。残された方が悲しい」というようなことをよく聞きますが、それは一概には言えないということがわかってきました。それは相手への思いの強さだ、ということも言い切れないのではないかとも。過去を大切にする気持ち、現在を大切にする気持ち。そのバランスが個人差があるのだということが大きいのではないでしょうか。どれがいいとは言えないけれど、過去に関わりを持った人を大切に思い続けつつ、現在関係の深い人たちを大事にしていきたいです。
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