八日目の蝉

2007年9月26日 読書
ISBN:4120038165 単行本 角田 光代 中央公論新社 2007/03 ¥1,680

結構じりじりさせられる作品でした。堕胎経験のある女性が、不倫相手の家から乳児を誘拐して全国を逃亡しながら4歳まで育てる話と、その女性(誘拐犯)によって育てられた子として好奇の目にさらされながら成長した娘が自分とその女、実の親達との関係を見つめ直す話の二代にわたる輪廻を描いたものです。
もう一度読みたい作品ではないけれど、2つほど印象的な言葉があったので記しておきます。

自分を持っていないから、悪意や憎しみといった負の感情が薄い。

会わなければ忘れてしまうことができる。けれど会ってしまえば、百個のことを忘れていても別の百五十個のものがいっぺんに思い出される。

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