プラナリア

2006年3月13日 読書
ISBN:4167708019 文庫 山本 文緒 文藝春秋 2005/09/02 ¥480

えーっと、「プラナリア」って知っていますかね?切っても切っても、切った部分がいつの間にか再生して増えてしまう生き物らしいですね・・・気持ち悪い。そんなものになりたいって主人公が言うので、インターネットで画像を見てみた・・・超気持ち悪かったです。知らずに生きていたかった。この作品を読んでいると主人公に対して苛立ちがどんどん増すのですが、主人公の苛立ちも理解できました。ということは私は今すごくいらいらしてるのかもしれません。でも、子宮がんについての本とか、プラナリアの写真とかを大量に送りつけるって、やっぱり思いやりがないですよね。「相手の気持ちになる」っていうのは基本的なことで、ちょっと考えたらわかるのに、できない時が多いです。親切心も自己満足だけでなくありがた迷惑になることが結構ありますよね。
個人的には「プラナリア」よりも、「囚われ人のジレンマ」が面白かったです。以下、囚人のジレンマのたとえ話を抜粋します。

〜共犯の窃盗容疑の二人が捕まった。警察は二人を別々の部屋に入れて尋問する。警察は、それぞれの囚人に「先に自白すれば、無罪にする。だがもう一人よりも後に自白したら重い罪に処す」ともちかける。その場合、二人とも自白しなければ証拠がなく罪に問われないが、二人とも自白すればかなり重い刑がかけられる。二人の囚人にとってベストな選択は両者とも黙秘を続けて証拠を隠すことだが、お互い別房に入れられているので結束することができない。そして「相棒が先に自白してしまうと自分には重い罪がかけられる。自分が先に自白すれば無罪放免だ」と両者が考え、結果として二人とも自白して二人ともが罪に処される。こうして両者が相手の戦略を懸命に予想した結果両者ともが損をしてしまうケースを囚人のジレンマと呼ぶ〜

なるほどー・・「自分から損の種をまいている」のですね。こういうことってありますね。

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