ISBN:4334924468 単行本 荻原 浩 光文社 2004/10/20 ¥1,575
「私の頭の中の消しゴム」の映画を観た後も思ったけど、アルツハイマーってこわい。物忘れの多い自分に対して「アルツかも」なんて冗談を言っている場合ではないほど深刻な病気だ。肉体の死より精神の死が先にくるって、本人も怖いだろうけど、この本でも語られているように、精神の死がきてからは介護をする側が大変だ。本の中では美しく最終章をしめているけれど、もっと具体的なことを想像するだけでも震える。荻原さんの作品じゃなかったら、この本もこんなに楽しく読み進めることはできなかった。なにが悲しいって、木崎先生がわずかな焼料を何度もごまかして主人公に払い続けさせたことだ。他人の不幸を自分の得のために利用することは、第三者からみるとなんて罪深いんだろうと思う。そして、だまされていたことを自分で気がついてしまうと怒ることもできないほど辛い。幸か不幸かすぐに主人公はそのこと自体を忘れることができるのだとしても。
「私の頭の中の消しゴム」の映画を観た後も思ったけど、アルツハイマーってこわい。物忘れの多い自分に対して「アルツかも」なんて冗談を言っている場合ではないほど深刻な病気だ。肉体の死より精神の死が先にくるって、本人も怖いだろうけど、この本でも語られているように、精神の死がきてからは介護をする側が大変だ。本の中では美しく最終章をしめているけれど、もっと具体的なことを想像するだけでも震える。荻原さんの作品じゃなかったら、この本もこんなに楽しく読み進めることはできなかった。なにが悲しいって、木崎先生がわずかな焼料を何度もごまかして主人公に払い続けさせたことだ。他人の不幸を自分の得のために利用することは、第三者からみるとなんて罪深いんだろうと思う。そして、だまされていたことを自分で気がついてしまうと怒ることもできないほど辛い。幸か不幸かすぐに主人公はそのこと自体を忘れることができるのだとしても。
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