ISBN:4043648030 文庫 川島 誠 角川書店 2003/06 ¥500

800の方が全然面白かった。でもまぁまぁ・・・
気に入らなかったのは一節終わるたびに何らかの暗示的表現がつかわれていた点だ。はじめはまだよかったけれど、段々くどい!と思ってしまって、せっかくのストーリーが崩れる。「でも・・・」「しかし・・・」もうおなかいっぱい。これがなければなぁ。

この人の作品は陸上が舞台になることが多くて、読んでいるうちに、あの面白くなさそうな、しんどいだけという陸上のイメージが和らいで、走ってみようか、と思ってしまう。

この作品のストーリーは、わりと普段私が考えていることと重なることが多くて、ちょっと人事ではない・・・という気持ちで読んだ。

なるほど、世間は小説を実体験に基づいて書いていると思うのか。そういわれてみれば私もそうだ。小説家って、きっとそういうことを気にしていたらやっていけない。結構リスクの高い職業だったんだなぁ。

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